こんにちは。春日井市の元銀行員税理士の小野木です。
創業融資を受けるとき、「日本政策金融公庫」に申し込むか「保証協会」に申し込むか、2パターンあります。
どちらに申し込んだらいいのか?と迷っている方もいるかもしれません。
ここでは、金銭的・審査的・時間的・トータル的にどちらがいいのかをお話ししていきます。
もくじ
金銭的には「日本政策金融公庫」がおすすめ
一般的に日本政策金融公庫は、保証協会よりも利子が安い傾向があります。
というのも、日本政策金融公庫は保証料が0円で利子だけで済みますので、今だったら1%台で借入できることが多いです。
保証協会で申し込むと、どうしても保証料がかかりますので、利子+保証料が2%台になってしまいます。
ということで、金銭的には「日本政策金融公庫」がいいでしょう。
審査的には「日本政策金融公庫」が有利か
ここでいう「審査的」というのは、「審査のゆるさ」をいいます。
ケースによってまちまちなので確実なことは言えませんが、一般的には日本政策金融公庫の審査のほうがやさしいといわれています。
というのも、保証協会で申し込んだ場合、「保証協会の審査」と「金融機関の審査」の2つをクリアする必要があります。
関門が多いぶん、審査が厳しくなる可能性があるというわけです(金融機関の審査は形だけの場合も多いですが。。。)。
とはいえ、日本政策金融公庫の審査はなにも見ていないわけではありません(あたりまえですが)。
どちらかといえば日本政策金融公庫の方が有利かな?という程度に考えておいた方がいいでしょう。
時間的には「日本政策金融公庫」一択
時間的にとは、申し込みから入金までの日数をいいます。
時期にもよりますが、わたしの経験上、日本政策金融公庫は「約2週間」、保証協会は「約1か月~1か月半」かかるイメージです。
日本政策金融公庫はとにかく早い印象です。
早い人だと、
【申込 → 翌日に面談の日程調整の電話 → 申し込みの3日後に面談 → 面談後4日で結果連絡 → 3日後に入金】
と、全部で11日というのがありました。
聞いた話ですが、もっと早いケースもあるそうです。
保証協会はなぜ1か月以上もかかるのかというと、金融機関を挟んで手続きをすすめため、どうしても遅くなってしまうのです。
申込みだけでも、
【申込書記入 → 金融機関の担当者がチェック → 担当者の上司2~3人が順番にチェック → 保証協会へ申し込み】
というプロセスがあります。
上司からケチがつけばそのぶん時間を食いますので、どうしても時間がかかってしまうのです。
申し込みした後も、
【保証協会で審査 → OKなら金融機関で審査(金額によっては本部決済が必要なことも) → 融資実行】
と、多くのプロセスがあります。
時間がかかってしまうのは本当にどうしようもないので、担当者さんを怒らないであげてくださいね(当時のお客さんに遅いとよく怒られたので笑)。
急ぎの場合は、日本政策金融公庫がおすすめです。
人脈を広げたいなら「保証協会」がおすすめ
日本政策金融公庫で借入れすると、その後は粛々と返済をしていきます(あたりまえですが)。
返済が遅れない限り、日本政策金融公庫からなにかアクションを起こしてくることはありません。
これに対し、保証協会での借入れは、金融機関との借入契約をすることになるので、それぞれ担当者がつくようになります。
毎月返済していくのは日本政策金融公庫と同じですが、信用金庫などの比較的小さな金融機関と取引した場合、定期積金などを作成することで毎月訪問してくれるようになり、そこで仕事に役立つ情報を収集できたり、お客さんを紹介してくれる場合があります。
創業当初から金融機関とつながっておくと、長い目で見ればメリットになることが多いです。
春日井市でいうと「東春信用金庫」「東濃信用金庫」あたりがおすすめです。
名古屋市だと上記2つに加え「中日信用金庫」「愛知信用金庫(昔わたしが働いていました!宣伝ではないです笑)」がおすすめです。
上記どの金融機関でも、創業者にやさしいというか、小回りの利いたサービスをしてくれますので、創業したばかりの時期は強い味方になってくれるでしょう。
トータル的には・・・?
確実に資金を借りたい・金利を安くしたい・早く借りたいのであれば「日本政策金融公庫」がおすすめです。
創業後、少しでも人脈を広げたいなら「保証協会」がおすすめです。
上記をふまえると、トータル的には日本政策金融公庫で借入れをするのがいいかもしれません。
最初は日本政策金融公庫で借りておいて、2回目以降は保証協会で借りることも可能です。
ゆくゆくは金融機関をつながっておくほうがなにかとメリットが得られると思います。
まとめ
日本政策金融公庫か保証協会がどっちがいいのかについてお話ししました。
創業直後に確実に借入するなら日本政策金融公庫がいいでしょう。
ネット上ではいろいろな情報があり、日本政策金融公庫が有利だと書いているものもあれば、保証協会が有利だと書いているものもあります。
こればっかりは確実な正解がないので、はっきりしたことがいえないのが正直なところです。
わたしのいままでの経験上のお話をさせていただきましたので、参考になれば。