こんにちは。春日井市の元銀行員税理士・小野木です。
銀行という場所は、用事があればこちらから行く、というのが一般的です。
ですが、銀行員の方が定期的に訪ねてきてくれる、という形もあります。
今回は、銀行員に定期訪問してもらう方法についてお話しします。
もくじ
銀行は常に取引できる先を探している
まず前提として、銀行がなぜ訪問するのかについてお話しします。
銀行内には「得意先係」といって、外を回って営業をする部署があります。
銀行は支店ごとにそれぞれ営業目標が設定されており、融資・預金・生命保険・投資信託・クレジットカードなど、何十種類もの商品を販売しなければなりません。
この目標を達成するために、支店は日々活動しています。
得意先係は、その目標達成のための実行部隊で、一番の稼ぎ頭です。
とはいえ、いつも成績がいいわけではなく、振るわない日もあります。
振るわない日が続けば、上司から何を言われるかわからない(笑)ので、みんな必死になります。
そのため、銀行員はお客さまになってくれそうな見込み先を常に探しています。
訪問できるところがあれば、ぜひお伺いしたい!と考えています。
訪問する理由がほしい
銀行員は常にお客さんを探していますので、訪問できる先を増やしておきたい気持ちがあります。
ですがご時世柄、飛び込み営業もなかなか難しくなり、訪問できる先が限られています。
銀行員の立場からみると、なんとか訪問できる理由がほしいのです。
わたしも銀行員時代、数えきれないほど飛び込み営業をしましたが、「何しに来たの?」と言われたり、そういう顔をされることが何度もありました。
そのような対応をされるのはやはり嫌なものです。
「訪問してもらうのは申し訳ない」と恐縮される方もいらっしゃいましたが、銀行員の立場からすれば全然迷惑ではなく、むしろありがたいことなのです。
訪問してもらう方法1 定期積金を作る
もし、銀行員に定期訪問してもらいたいと思ったら、定期積金を作ることをおすすめします。
定期積金とは、例えば「毎月5万円を2年間貯金し続けます」という契約をして通帳を作ってもらい、毎月訪問してもらうことで集金してもらう商品です。
主に信用金庫が積極的に販売しているものですが、これを作ることで毎月訪問してもらう理由ができることになります。
定期積金は1,000円から作成できますが、訪問してもらうには下限が設定されている銀行もあります(2万円の2年契約以上が多いイメージです)
訪問してもらう方法2 試算表を渡す
2つめの方法は自社の試算表を取りに来てもらう、という方法です。
しっかり経理をやっている会社であれば、毎月試算表を作ると思いますので、これを取りに来てもらうことを理由に訪問してもらいます。
ただ、銀行員からすればもちろん試算表はほしいですが、支店の目標達成が第一ですので、いろいろな商品(定期積金、投資信託など)を売り込まれるかもしれません。
集金してもらう、取りに来てもらうだけではもったいない
定期積金を作ったり、試算表を取りにきてもらうことで訪問してもらう理由ができました。
ここで注意したいのが、銀行員にきてもらって集金して終わり、試算表を渡して終わり、というのは非常にもったいないという点です。
できれば毎回お茶を飲みながらじっくり話をすることを続けて、信頼関係を築くことで、自社にとって有利なことを提案してくれるようになるはずです。
銀行員の立場としても、毎月じっくり話をする訪問先に対して、話題を持っていくことが意識付けされるので、
「この商品は良さそうだな。今度提案してみよう」
とか
「融資のキャンペーンが始まったからすすめてみよう」
といった提案を考えてくれるようになります。
もし、提案がなければ、
「なんかいい話教えてよ」
というのもいいかもしれません。
せっかく来てもらうのだから、お互いにとっていい情報交換ができるようなるのが理想です。
融資します、と言ってもらえたら大成功
毎月訪問してもらうなかで、融資の提案を受けたら大成功といえます。
理由としては、信頼関係をうまく築けていた、という点です。
銀行の立場としては、融資はしたいものの、どこでもいいという訳ではなく、しっかり返済してくれるところに融資したいものです。
そのなかで融資を提案してくれたということは、こちらのことを信頼してくれている、ということになります。
絶対に借りなければならないというわけではないので、融資が必要なければ断ってももちろん問題ありません。
まとめ
銀行に定期訪問してもらう方法をお話ししました。
2つの方法をお話ししましたが、銀行員の営業成績になる「定期積金を作る」の方が喜ばれるかもしれません。
来てもらったついでに「税金を納付する」「振り込みをする」といったことも可能ですので、うまく付き合っていくことができるにつれて、メリットが増えていくと思います。