こんにちは。春日井市の元銀行員税理士・小野木です。
会社を設立するときに、登記をしなければなりません。
登記とは、会社の重要な情報を法務局で登録することで、登記しなければ会社として認められないので重要な手続きです。
登記をする際に、会社の事業目的を定款に書かなければなりません。
会社でやりたいことをもれなく書くのが原則ですが、内容によっては銀行融資に影響を与えることになるかもしれません。
今回は、登記をする際の事業目的についてお話ししていきます。
もくじ
銀行に警戒されるかもしれないケース
1 目的の数が多すぎる
実際のご相談であったケースです。
定款の見本を作ったので見てほしいということで確認してみると、事業目的が30個書いてありました。
「ネットで調べたら、やりたいことは全て書くようにとあった」
とのことで、今はやらないけど、将来やる可能性があるものも書いたとのことでした。
調べてみると確かにそのように書いてあるものが多いですが、なんでもかんでも書けばいいというのは避けた方がいいでしょう。
なぜかというと、銀行の担当者など、第三者からみて事業目的がずらーっと書いてあると、
「この会社はなにをしたい会社なのか?」
「どういう会社なのか?」
と不信に思われてしまう可能性があります。
実際にわたしが見たときも、なにがしたい会社なのかよくわからないな、と直感で感じました。
一般的には、10個前後がいいといわれていますので、うまくまとめるようにしましょう。
2 順番がバラバラ
事業目的の順番は、1番目にメインの事業を書くのがベターです。
たとえば、メインの事業が5番目ぐらいに書いてあったとしたら、銀行の担当者がみたときにどう思うでしょうか?
細かいことなので大した問題にならないかもしれませんが、「1番上にもってこれない理由があるのだろうか」と、ネガティブなイメージをもたれる可能性もあるかもしれません。
あらぬ疑いをかけられてしまうのはもったいないので、メイン順に書くようにしましょう。
融資の対象でない業種に注意する
日本政策金融公庫や、信用保証協会で融資の対象とならない業種があります。
対象にならない業種は、
○日本政策金融公庫 … 金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等
○愛知県信用保証協会 … 農業(一部除く)、林業、漁業、一部の遊興娯楽業、金融業、学校法人、宗教法人、非営利団体(医療法人等およびNPO法人を除く)等、その他協会が支援するのは難しいと判断した業態
事業目的のなかに上記のものが記載されていたら、最悪のケースとして、融資が受けられなくなる可能性があります。
もし、上記の業種を事業目的に書く場合で、創業融資を受ける予定のある方は十分に注意しましょう。
「前各号に附帯する一切の業務」という言葉を書く
余談ですが、事業目的を記載した最後に、「前各号に附帯する一切の業務」をいう一文を記載しておきましょう。
この一文があることによって、今まで記載した事業目的に関連する事業を行うことができ、広い範囲をカバーすることができます。
ほとんどの会社は記載してありますので、忘れないようにしましょう。
まとめ
会社を設立する際に決める事業目的についてお話ししました。
重要なのは、この会社は何をしたい会社なのかわかるようにしておくことです。
書き方によっては、融資の審査に影響を与える場合もありますので気を付けましょう。