こんにちは。春日井市の元銀行員税理士・小野木です。
日本政策金融公庫や銀行で創業融資を申し込んだものの、返事がまったく来ない、返事どころか連絡が一切来ない、ということがまれにあります。
返事が遅かったり連絡がこないということは、「希望額の融資が下りない」「融資そのものがNG」になるのではないか、と心配になってしまいます。
結論からいえば、「審査の時間が長い=融資NGになる」というわけではありません。
今回は、審査の時間がかかる理由についてお話していきます。
もくじ
平均の審査期間
審査期間の平均は、日本政策金融公庫・信用保証協会ともに、1~2週間ほどです。
その間に追加の資料請求などでちょくちょく連絡が来ることが多いです。
資料の追加提出の期間も含めて、だいたい1~2週間あれば結果がわかるのが通常です。
なぜ審査に時間がかかっている?
2週間以上たっても連絡がこない!という場合、考えられる理由をお話ししていきます。
繁忙期に申し込んだ
銀行の繁忙期は「3月」と「9月」で、3月は決算月で、9月は仮決算月です。
銀行は、決算月と仮決算月は目標を達成するために普段よりも忙しくなります。
そのころに申し込んだ場合、時間がかかる場合があります。
創業融資の事務処理は時間と手間がかかりますので、後回しにされがちです。
通常の倍以上の時間がかかってしまうこともありますので、可能であれば3月と9月は避けて申し込むようにしましょう。
申し込みが殺到している
銀行に申し込みが殺到していれば、そのぶん手続きの時間が長くなります。
知り合いの銀行員に聞いた話によると、コロナ融資のときはかつてないほどの申し込みがあり、職員のみなさんは残業して対応していたそうです。
(まだコロナが続いていますが慣れてきたのもあり、今後はこのような事態はもうあまりないかと思いますが・・・)
追加で依頼された資料を提出していない
何日か前に追加で資料を送るように依頼されたけど送っていない場合は、その間審査が止まるので、その分時間がかかってしまいます。
意外によくあるパターンで、わたしも銀行員時代に「審査の結果まだ!?」と聞かれて「まだ追加の資料いただいてないんで処理が止まってるんです・・・」ということがよくありました。
早く返事をもらうためにも、「送ったつもりだったけど実はまだ送ってなかった」といううっかりミスはできるだけなくしておくようにしましょう。
事業内容が特殊である
新しく始める事業が「飲食店」や「小売店」など、よくある業種であれば銀行の担当者も慣れているので、手続きに時間はかからないでしょう。
これに対し、「ベンチャー企業で、今までに誰もやったことのない事業」を開業する場合、銀行の担当者としては、調査することが多くなるので、その分時間がかかる傾向にあります。
業界特有の専門用語や、いままでにない販売形態である場合はひとつひとつ調べて審査していますので、伝わりづらい事項がある場合は、前もってできるだけ理解してもらえるような創業計画書を作るようにしましょう。
申込金額が大きい
銀行にもよりますが、だいたい5,000万円を超える金額だと、役員の決裁が必要になります。
借入予定の金額が多ければ多いほど審査する人が増えますので、それだけ時間がかかります。
こればっかりはしょうがないので、気長に待つしかないのかなと思います。
担当者が忘れている
あまり考えたくないですが、「忘れられていた」ということもありえます(わたしのまわりではないですが、知り合いから都市伝説的な話で聞いたことがあります)。
ありえるパターンとしては、ちょうど銀行の人事異動の時期で担当者同士の引継ぎがうまくいってなかった、というのが考えられます。
あとは、担当者がいいかげんな人だったとかでしょうか・・・。
銀行に問い合わせても正直に「忘れてました」とはいわないでしょうから、真相はわからないでしょう。
もし忘れられていたとわかったら怒っていいでしょう。というか怒るべきです。
あってはならないことなので、申込自体を取り消してもらってほかの銀行で改めて申し込むことをおすすめします。
まとめ
創業融資の審査機関が通常より長い理由についてお話ししました。
はじめにお話ししましたが、「審査時間が長い=融資NG」というわけではありません。
それ以外のなんらかの理由により、遅くなっています。
遅いな…と思ったら、とりあえず銀行に聞いてみるようにしましょう。
待つ、というのは精神的に疲れてしまいますので、理由を聞くだけでも不安は解消されます。
可能であれば、入金を希望する2か月前ぐらいから申し込みをして、気持ちに余裕をもって臨むのがいいでしょう。